2019年3月29日金曜日

【連載】JSONとJSONPの違い、そしてそれにまつわる脆弱性

こんにちは。EGセキュアソリューションズ診断チームです。
JSONとJSONPという、Webサイトを構築する上でよく目にする技術について、
使用する上で注意すべき脆弱性を、解説を交えながら紹介したいと思います。
連載第一回の今回は、前段の知識としてJSONとJSONPの概要について説明します

【JSONとは?】
JSONはXMLに代わるデータ交換形式として新たに提唱されたものです。
JavaScriptのオブジェクトリテラルの形式をベースとして作られています。
また、JSONはJavaScriptの式として解釈できる性質を持ちます。
JSONは名前と値がペアになっているデータの集合体として表されます。
名前と値を「:」(コロン)でペアとして記述し、データの間は「,」(カンマ)で区切ります。
これらを{}で囲んだものがJSON形式となります。実際のデータ例を下記に記します。

{ “title” : “Hello JSON!” , “No” : 123 }



【JSONPとは?】
JSONPとはJSON with Paddingの略です。
名前にJSONと含まれているため、同じようなものと思ってしまいがちですが、全く違うものです。
元々、データを異なるオリジン間でやり取りを行うために色々な手法が試されていましたが、
そのうちの一つがJSONPです。
JSONのやり取りにはXMLHttpRequestが使用されていますが、
XMLHttpRequestは元々同一オリジンポリシーの制約を受けていた(現在はCORSにより回避可能)ため
そのままでは異なるオリジン間でデータを受け渡すことができません。
そのため、XMLHttpRequestを使用せず、script要素を使用して外部のJavaScriptを直接実行することにより、
異なるオリジン間でデータをやり取りするという方法が考案されました。これがJSONPです。
ただし、やり取りするデータがJSONの場合、JSON文字列そのままでは
script要素でデータを受け取ることができないため、関数呼び出しの形でデータを生成します。




【JSONとJSONPの違い】
ここまで簡単にJSONとJSONPの概要を述べましたが、一言で書くと次のように表すことができます。


JSON :データ交換用の形式、またはデータそのもの
JSONP :データそのものを異なるオリジン間でやり取りするための手法

【次回予定】
第二回以降は、いくつかあるJSONとJSONPにまつわる脆弱性について、一つ一つ紹介していきたいと思います。

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